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Report

Milano Report

欧州全体が熱波に見舞われた8月。それでも、ミラノも他の都市も、観光客でごった返した夏。
30年ぶりに訪れたナポリも「女性が一人で歩けない」と言われていた怖い印象が払拭され、地下鉄の駅はどの駅もコンテンポラリーアートで彩られミラノより美しく、観光客で賑わっていました。
そんな南イタリアのバカンスの一部をレポートします。

KAMPOS

ナポリ行きのITA航空が飛び立つリナーテ空港のゲート前、いきなり目に飛び込んできたのは、カラフルな店『KAMPOS』。これから海へ向かうミラネーゼが次から次へと立ち寄り、子どもまで水着を真剣に選んでいた。
2019年から展開しているサルデーニャのブランドで、サルデーニャ島のアーティストがデザインしている。デザインはポップでカラフルな蛸や蟹、タツノオトシゴ、そしてブランドのアイコニックなプリントの一つ、赤い珊瑚など、つい手を伸ばしたくなる柄だ。
KAMPOSは旅行者に高品質でユニークなデザインの商品を提供するだけでなく、ブランドの哲学の基盤である持続可能性と職人技の価値観を伝えることを目指している。
イタリアで製造されるこのスイムウェアは、海から回収された廃漁網とリサイクルされたプラスチックボトルから作られている。メンズモデルはすべて、イタリアで回収・加工された使用済みプラスチックボトルからリサイクルされたポリエステル繊維「Newlife」を使用。再生された廃漁網はレディースモデルとメンズの紐に使用。
元々耐水性ある素材なので、海辺での海水や砂を弾く。唯一、リサイクル素材でないのは水着の上に巻くパレオで、上質なコットンとシルクでできている。
また店舗デザインにも、海から回収された木材など、エコフレンドリーな手作りの素材と組み合わされ、展示構造の一部にも使用され、ブランドの環境に対する取り組みが再認識できる。ブランドは国内にとどまらず、スペイン、フランス、モルディブ、韓国などの主要な観光地や商業施設に既に存在する16の単一ブランドストアでも展開。
この成長は、KAMPOSが持続可能なラグジュアリーというメッセージを世界に広めるという決意を反映している。ミラノでは現在、リナーテ空港とマルペンサ空港のみ。オンラインでは10%ディスカウントを実施中!

milano

KAMPOS
住所:リナーテ空港 ゲート A6 & A19 、マルペンサ空港 T1 出発ロビー
営業時間:8:00 – 20:00 (無休)
Email: linairport@kampos.com, mxpairport@kampos.com

ピッツァ&パスタ、ナポリ食い道楽

ナポリに来たらやっぱりナポリピッツァを食べないわけにいかない。
近年のミラノの女性は半分残すことが多いが、この極薄ナポリピッツァなら1枚食べれてしまう。しかも一昔前のミラノのようなリーゾナブルなお値段が嬉しい。
まず1軒目は ラエッツァ (Pizzeria Laezza) 。マリナーラは6ユーロ。クラシックなピッツァも、スペシャルピッツァもそれぞれ20種類以上、クラシックはほとんどが10ユーロ以下。ラエッツァはピッツァも、モンタナーレというフライミックスも、モチモチ感がすごい!通りに面した外席でワイワイ食べるのがおすすめ。
2軒目はナポリ名物のダ・ミケーレ(L’antica Pizzeria da Michele)。番号をもらって近所の路上でフレッシュレモンガス水割りのリモナータなど飲んで時間を潰しながら待つ。メニューは4つのみ。マリナーラ、マルゲリータ、コザッカ(トマト、ペコリーノチーズ、バジル)、そしてマリナーラとマルゲリータが半分ずつのマリータ。
どれも嬉しい6ユーロ!いちばん美味しいのはマリナーラ。チーズは普通だが、トマトソースの味が最高だからだ。モチモチ感はラエッツァよりは少なめだが、こちらも極薄でバランスがいい。
壁にはステーブン・スピルバーグが訪れた時の写真も飾ってあった。そして、ミラノでも有名なソルビッロの本店と海岸沿いの支店はどちらも長蛇の列だった。
最後にパスタでお勧めなのはタンデム。看板に「ナポリ+ラグー=タンデム」とあるように、ラグーが売りの店。ここのメニュー、マンフレディは、ラグーと言ってもゴロゴロと肉の塊が入って食べごたえ満点。
美味しさの秘密はレジネッテ、もしくはマファルディーネと呼ばれる幅約1cm の平たい波型のリボン状なナポリパスタに、ソースとチーズがしっかり絡まっているからこそ。紹介しきれないほど美味しい店がたくさんあるが、ミラノに支店がある店でも何かが違う、とみな、声を揃えていう。きっと水や空気が違うから?らしく、ナポリ食い道楽がお勧めだ。

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Pizzeria Laezza
住所:Via Speranzella, 125, 80132 Napoli NA
営業時間:11:30 – 15:30, 18:30 -23:30 (水曜定休)
Tel: +39 081 1932 2748

L’antica Pizzeria da Michele
住所:Via Cesare Sersale, 1, 80139 Napoli NA
営業時間:10:30 – 23:00 無休
Tel: +39 080 1761 9996

Tandem Napoli
住所:Via Giovanni Paladino, 51, 80100 Napoli NA
営業時間:11:00 – 0:00 (無休)
Tel: +39 081 1900 2468

カフェ・ナポレターノとナポリ菓子

ナポリといえば深い味わいのカフェでも有名。ナポリを代表する歴史的なカフェの一つ、「ガンブリヌス(Gran Caffè Gambrinus)」は、創業以来、地元の人々や世界中の観光客に愛されてきた場所だ。
創業は遡ること1860年!当時はグラン・カフェ・ドゥ・パレ・ロイヤルと呼ばれていたらしい。華々しい内装の店内のショーケースに並ぶのは、なんと著名人が飲み干した後のデミタスカップ。2015年3月に訪れたフランチェスコ教皇をはじめ、まだ現存のマッタレッラ大統領やドイツのメルケル首相など、、、ただあまり見た目に美しいものではない。
新品のオリジナルカップと、オリジナルブレンドカフェは缶も美しくお土産にお勧めだ。同じナポリカフェでも、クックマカフェは路地裏にひっそり佇む隠れ家のような愛らしいカフェ。ナポリカフェの虜になった気さくなアキレが伝統的なカフェ・ナポレターノの作り方を丁寧に説明してくれる。
クックマ(元々は銅製)と呼ばれるナポリ地方の伝統なコーヒーメーカーは、元は1819年にフランスで特許を取得したもの。その証拠に壁に飾られたセザンヌ、ピカソ、ゴッホ、マティス、グットーゾの絵にはクックマが描かれていた。それを手に入れたナポリの人々は、その構造と仕組みを研究し、安価なブリキで複製を作ったのがナポリの伝統となった。
現代のイタリア人家庭に必ずあるコーヒーメーカーように下部の沸騰した水がフィルターを通し上へ抽出されるのでなく、水が沸騰したら器具を逆さまにし、2重のフィルターを通して「下へ」ポタポタと一滴ずつ落ちていく古典的な抽出方法なため、1杯のカフェになんと8分かかる!その「待つ時間」を当時は社交に費やし楽しんでいたそう。
ナポリならではのカフェクリーム(カフェと砂糖を練り合わせたもの)が添えられ、素朴な味わいの伝統菓子と一緒にサーブされる。そう、深みのあるカフェには甘いものがよく合う。ナポリの名物、スフォリアテッラは薄く伸ばし何層も重ねた生地にリコッタクリームを詰め筒状に丸めて貝殻のような形に焼き上げる。
そして、ナポリからソレントへ向かう途中の街、ヴィーコ・エクエンセのクレメリア・ガブリエーレのデリツィア・アル・リモーネは、レモンが名産のアマルフィやソレントなど、ナポリを州都とするカンパーニャ州で生まれた、レモンを使ったデザートだ。デリツィアとは喜び。レモンの爽やかな風味と生クリームやリキュールがスポンジケーキに染み込み、注文してからシャンティリークリームをたっぷりかけてくれる、
まさに「レモンの歓び」と呼べるドルチェ。クレメリア・ガブリエーレはもともと乳製品加工業を営み、1950年代の夏、チーズの生産量が減少し、余った新鮮な生乳でジェラートを作ったことで大成功、今ではソレント半島ではもちろん、イタリア全土でもトップクラスに名を連ねるジェラート屋だ。ヴェズーヴィオ火山に沈むサンセットの写真はヴィーコ・エクエンセからシャトルバスで10分のリゾートホテル、Towers Hotel Stabiaeから。ソレントの海外からの景色は圧巻だ。

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Gran Caffè Gambrinus
住所:Via Chiaia, 1 (Piazza Trieste e Trento), 80132 Napoli
営業時間:7:00 – 0:00 (無休)
Tel:+39 081 417582

Cuccuma Caffè
住所:Vico ll Gravina, 1, 80134 Napoli
営業時間:13:00 – 16:00, 19:00 – 23:00 (定休日:火曜日)
Tel: +39 389 532 8307

Cremeria Gabriele
住所: Corso Umberto l, 8, 80069 Vico Equense (NA)
営業時間:8:30 - 14:00, 16:00 - 0:00 (定休日:火曜日)
Tel: +39 081 879 8744

ソレントで見つけたとっておきのブティック、バレリ!

ナポリから列車で約1時間、道中、ヴェズーヴィオ火山が「海に浮かぶ富士山」のように綺麗に見える車窓を楽しみながら、ヴィーコ・エクエンセを過ぎて15分ほどでソレントに着く。通りを歩いていると、あまりの可愛さにふと足が止まった。
ソレント発のイタリアン・バレリーナシューズ「バレリ(Ballerì)」だ。バレリとはナポリ語のバレリーナ。そう、ナポリはバレエ、タランテッラでも有名だ。ナポリからソレント半島にかけてレモン柄を見ないことはないが、ここのレモン柄は一線を画し、とても上品で愛らしく、かつ、エレガントだ。
バレリーナシューズを中心に、洗練されたデザインと上質で柔らかい革のシューズたちが目をひく。それもそのはず、創業者は、セルジオ・ロッシのデザイン学校で学び、ダーク・ビッケンバーグ、ウールリッチ、ディエゴ・ドルチーニ、エルメネジルド・ゼニア、キトンなどで働いたのち、2018年にブランドを立ち上げたのだ。
デザイナーのガイア・デ・リッツァが創り出すバレリーナシューズはすべて、彼女の土地の色や伝統、カプリ島、ソレント、アマルフィ海岸が持つ香りや感情にリンクしたインスピレーションの賜物で、働く女性のためにデザインされた洗練されたシューズだ。
世界中の女性にレモンの香りとナポリの陽気な雰囲気を与え、職人とメイド・イン・イタリーを高めるプロジェクトに命を吹き込んでいる。ナポリで父から子へと受け継がれてきた古くからの伝統に従って作られるイタリアのバレリーナシューズ。バッグや髪飾り、ケース付きの肌触りの良いタオルなど、アクセサリーも展開。靴のお値段は100ユーロから 300 ユーロと幅があり、刺繍が入ると高めになるが、夏のセール時期には30〜40%ディスカウントになる。世界中から賞賛されてきた職人技、刺繍、美しさと、品質と独自性のシンボルとしてきた土地の歴史的アイデンティティを守るバレリ、ソレントに来たらぜひお勧めだ。

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Ballerì Sorrento
住所:Corso Italia 187, 80067 Sorrento (NA)
Email: boutique.sorrento@ballerisorrento.com
営業時間:10:30 – 21:30 (日曜日のみ昼休憩 13:30 – 16:30)

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